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自己肯定感が大事です。

JUGEMテーマ:手造りおもちゃ



うちの教室、その時々の(私の、あるいは子ども達の)気分によって、お絵描きもしたり粘土遊びもやったり、なので、一応、「造形教室」と名乗っておりますが、やはり中心は工作教室、手造りおもちゃが主です。

自慢じゃないですが、手造りおもちゃ、しかも下は3歳、5歳なんて連中の造ったおもちゃなんて、最初からすんなりうまく動いてくれる事は超まれであります。完成と同時に「おじさん先生!ここ、動かない!!」って声が次々と。それを、手伝ったり、こちらの指示に従って調整したりして、どうにかこうにかうまく動くと、どの子も、オチビさん達は特に、何とも満足そうな笑みが浮かびます。

クギを打ったり、ノコギリで竹を切ったり、キリで穴を開けたり、経験の積み重ねも、無論、大きな意味がありますが、一番の肝は、この笑顔。大人からすると、ガラクタとしか思えないような作品でも、自分の手で造ったものがちゃんと動いたって満足感が、成功体験の積み重ねになります。

この積み重ねが自己肯定感を育み、色々なものに挑戦しようとする積極性が生まれ、少々の失敗でも簡単にはへこたれない粘り強さに繋がってくるので、子どもを育てる上で、いかに成功体験を経験させるか、いかに自己肯定感を育むかっていうのは、最優先課題と言っても言い過ぎではないと思うんですが、何故か、この国では、成功体験に満足させるのを良しとせず、「次はもっと頑張れ!」とより上の到達目標を設定し、結果的に自己肯定感をすり潰すような育て方が、「厳しく育てて、子どもの才能を伸ばす子育て法」だと思っている大人が多いのは、困ったものです。
先日も、ネットのニュースに、”「早期教育は意味がない」慶応医学部教授が指摘、その理由とは”との記事が出ていましたが、これまでの様々な研究により、身長や性格、様々な能力の大半は、遺伝的要因によって生まれつき決まっており、一生懸命牛乳を飲ませたり、鉄棒にぶら下がらせたりしても、それで身長が高くなる事はないし、早くから字を教えたり、計算の練習をさせたからと言って、元々体育会系に産まれた子が勉強好きに育つ事はないし、幼児の頃からサッカー教室に入れても、元々スポーツがあまり得手ではない子を、サッカー選手に育てる事は出来ないという事が分かってきています。

昔読んだ心理学の本に、一卵性双生児に関する研究が取り上げられていて、共に育つと互いに相手を意識して対照的な性格に育つ例が多いけれど、たまたま何かの事情で離れて育った一卵性双生児を調査したところ、互いに異なった家庭環境や地域で育ったにも拘わらず、学歴や現在の職業のみか、音楽の趣味から好みの異性まで似ていたという話が紹介されていました。これ、生まれつきの遺伝的要因と育った環境との関係がよく分かる話だと思いませんか。

先のニュースでも、「早く自転車に乗れるようになった子と、小学2年生でやっと乗れるようになった子の運動神経の差はない」との小児科の先生の言葉が出てきますが、特に焦って親があれこれやらせようとしなくても、持って生まれた才能は、時期が来ればちゃんと顔を出してくるもの。逆に、無理強いして、親のやらせたい方向へ引っ張って行こうとすれば、逆にせっかくの天分を押しつぶす事にもなりかねないって事を考えた方が。

特にまずいのは、「自分は算数、数学が苦手だったから、子どもには同じ苦労を味わわせたくない」って考えで、自分の苦手だったものを早くからやせようとする事。その子の才能や性質は遺伝的要素で決まる部分が多いなら、親の苦手をそのまま受け継いでいる可能性があるわけで(必ずしもそうとは限りませんが)、元々苦手なものを早くから無理強いされれば、単に苦手意識を膨らませ、自分に自信を持てなくなる可能性大。

どの子も、その子なりの得意分野、無理なく興味を抱ける対象を持っているはずなので、そっちの方向で、ちゃんと自分の力を発揮できるところまで頑張れるかどうかのカギを握っているのが、先に挙げた自己肯定感(自尊感情、英語では、セルフ・エスティームと言います)。ある程度、自分に自信が持ててこそ、前向きに物事に取り組めるんで、そこがぐらついていれば、委縮して、何かにチャレンジしようという気力すら湧いてきません。
なのに、何故か、この国の子育てや教育では、この「自己肯定感を育む」という視点が軽視されがちで、昨年話題になったTVドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」でも「自尊感情の低い男性との恋愛」が大きなテーマとして取り上げられ、多くの共感を呼んだように「「いまひとつ、自分に自信の持てない若者が多い」という結果に。実際、国立大の学生を対象にしたアンケートに関わった際、取り敢えず競争に打ち勝ってきた連中のはずなのに、8割り方、自分に自信が持てないって内容の回答を書いているのを目にした時には、流石に「これは、まずいだろ!」と思いましたが。

自己肯定感を育むには、特別な事は必要ありません。可能な範囲で、子どものやりたいようにやらせ、子どもが自ら興味や意欲を持った事をさりげなく後押ししてやり、それが小さな事でも、何かの成果に結びついたら、特にほめなくていいので、一緒に喜んであげればOK。後は、黙っていても、子どもが自ら育っていきます。

私らの目指しているのも、突き詰めればそれ、ただひとつ。自分の造ったおもちゃがうまく動いた時の、ささやかな満足感。それをひとつでも、ふたつでも余分に味わってもらって、それが彼らが遠い将来、何か未知の事にぶつかった際、ひるまずチャレンジできる勇気に繋がってくれれば、と思いながら日々無い知恵を絞っているんですが、なにせ、結果が分かるのは、10年後、20年後なのでねえ。


■これまでに取り上げた「手造りオモチャの造り方」の一覧、順次更新中。→ 手造りオモチャの造り方一覧(元気編)
 手造りオモチャの造り方一覧(科学編・しっとり編)


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※ツイッターアカウントは @dorasuky
author:Uncle K, category:子供の時間, 16:12
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