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ハンカチの法則
JUGEMテーマ:手造りおもちゃ


「長所を伸ばすか、短所を治すか」

これ、子育てや教育のみならず、プロスポーツの選手の育成の場などでも議論になる問題。

個人的には、絶対に、その子の得意な部分、黙ってても一生懸命になれる分野を伸ばす方向で考えるべきだと思うんですが、「普通の子」といって思い浮かべる子どもの姿が、「完全無敵のスーパーマン」的は子ども像だったりしがちな親御さんの目には、ついつい、その子の不得手な領域、欠けている部分が目についてしまうようで、短所をどうすれば少しでも目立たなく出来るか、って方向に考えが向かいがち。

そもそも、長所、短所自体、裏と表の関係で、体力があり余っていて体を動かす事が好きな子、何でも一度は試してみたがる子も、「元気がある」、「やる気がある」、「積極的」と見れば長所、逆に、「落ち着きがない」、「集中力が続かない」とかって見れば、短所って事に。外遊びよりも、静かに本を読んだり、手芸とかの方が好きな子を「落ち着きがある」、「根気がある」と見れば長所となるし、「運動が苦手」、「積極性がない」ととらえれば短所って事になってしまうわけで、両方満足って事はありえないんですが。

ただ、人間、生れ持った性質で子どもの頃から、育て方や教育では変える事の出来ない本質的な部分もありますが、幼少期から大人に至るまでの長いスパンで見れば、ちょっとしたきっかけで幼い頃の姿からは想像もつかない姿に豹変したりする例も、そう稀な事ではありませんので、目先の結果に一喜一憂するのではなしに、将来どんな大人になるのかを楽しみにしながら、人間としての基本的な姿勢だけはしっかり身に着ける事ができるようしっかり見守っていく事が肝心ってところだけは確か。

たくましく豹変する際のキーポイントは、自分に自信を持つ、だったり、自分なりの目標が出来る、といった辺り。

学習塾をメインに活動していた時分、一番、力を入れて教えていたのは、算数、数学。

これは、自身の子ども時代、あまり学校の勉強に熱心ではなかった割に、さほど勉強しないでも、まずまずの成績をもらえた得意科目で、教え方の様々な工夫、新たな教材等のアイデアが出しやすかったという事もあるのですが、一番の理由は、短期間で勉強の成果発揮しやすい科目というところ。

理科や社会等、自分の中に知識を蓄える必要のある教科は、勉強の成果が成績として現れるにはそれなりの時間が必要です。英語などは、蓄えた知識をくり返し使うという経験を積み重ねないと、成果が現れず、身につけるまでにかなりの根気が必要ですが、算数、数学は、暗記科目と異なり、1つの単元をしっかり学習し、コツを掴み考え方が飲み込めれば、少なくとも学習したその単元だけは出来るようになります。

一度、学習した事がしっかり飲み込め、それなりの結果が得られれば、それまで苦手意識を持っていた子ほど自信になり、その自信がまた次の単元を学習する際の意欲にも繋るという、いい方向への循環が出来てきます。そうなればしめたもの。

ここが面白いところで、算数・数学に拘わらず、何かひとつの教科で自信を着けると、不思議とさほど勉強してもいない他の教科も、たいていは少しずつ成績がよくなったりするんですよね。

ちょうど、机の上に広げたハンカチのひとつの角を摘まんで持ち上げると、触ってはいない他の角も、自然と上に引っ張り上げられます。

これと同じような現象と言う事で、これを学習における「ハンカチの法則」と言います。
特別学校で学習する教科に拘らなくても、何か夢中になれるもの、人から言われなくても、自分で進んで熱中できるものを見つけるのが第一歩。

学校の勉強がやりたくないから、ゲームにふけって現実逃避っていうのはダメですが、根っからゲーム等が好きで熱中しているうちに、優秀なプログラマーにとか、ゲーム製作者にとかって例もさほど稀な例ではないですし、そこまで行かなくても、ゲーム好きがきっかけで自然にIT関係の知識が深まる、なんて例は良くある話。

自分の好きな物に熱中して、それが自信に繋がるところまで頑張れると、それまで自信がなくて逃げていたような領域の事でも、取り組む姿勢が少しずつは変わってきます。

すると、苦手だった領域の学習も少しずつは理解できるようになるし、やる気でやってみると、苦手だと思っていた学習が「これ、以外に面白いわ!」などと気づく事も。

最も子どもが劇的に変わった姿を見せるのは、自分なりの目標が出来る事。

具体的に目標や進路が定まれば、自分のやらなければならない事柄が具体的に分かってきますから、自ら選んだ道に向かうためなら、誰に言われなくても、進んで必要な事に取り組むようになるし、単に言われるからやっていただけって時にはちっとも頭に入らなかった勉強内容も、それなりに理解できるようになるもの。

とかく、オールマイティな人間を求めがちなご時世で、その結果、型にはまった面白みのない平均的な人間に育てようと一生懸命になってたりしてますが、世の中探したって、そうそう、オールマイティな人間なんて見つからないですよねエ。

それよりは、少々偏っていても構わないので、その子の興味のある事、好きな事に熱中できる環境を整え、少しずつ、その子の世界を広げていけるように見守ってあげる方が、長い目で見れば、その子のためになると思うんですが。


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少し前から、学習の指導も始めました。「子ども達に分かる楽しさを知ってもらおう」という趣旨で、学習や学校生活でのお悩み相談にも応じておりますので、お困りの事等を抱えておいでの方は、特に費用等は頂きませんので、お気軽にご連絡を。

※ツイッターアカウントは @dorasuky
author:Uncle K, category:子供の時間, 22:19
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